実体験からもしもの時に慌てないよう事前準備↓をしておくことをおすすめします

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「今」を振り返っての比較

 時折介護に関するネットの書き込みを見たりすると、よく介護になった親を

「在宅か?施設か?」

のどちらで介護をするかという話題を見かけます。

 

 各家庭によって家族構成、年齢、性格、仕事、学校、距離、車の有無、家、お金などさまざまな環境や要因があるため、在宅か施設かを事情や心情の分からない他人が気軽に言えることではありません。

 

 ただし、私の場合は「実際在宅介護をしていて、こうでした」と言うことはできるので、一例として参考になればと思い今回書いてみることにしました。

在宅介護の主なデメリットは次の3点があります
  1. 家族の負担が大きくなる
  2. 介護者の急変に即対応できない
  3. 24時間365日の介護が続く
在宅介護の主なメリットは次の3点があります
  1. 心落ち着く自宅での生活が出来る
  2. 必要な介護サービスを選べる
  3. 介護費用が節約出来る

【デメリット1】家族の負担が大きくなる

 在宅介護ですから当然誰かが介護者の介助をしなければなりません。誰かといってもほとんどの場合、家族である

  • 実の子
  • 義の子

が中心になるかと思います。

 

 それらの家族が仲が良く・理解があり・交代で介護をするのならば負担は減りますが、私の場合のように一人で介護をしているという方は特に大きな負担になります。それも介護サービスをフル活用していてもです。

 

 具体的には、介護者の

  • 介助
  • 家事(食事・洗濯・掃除・買い物など)
  • 往診医の立会い
  • 看護師さんの立会い
  • ケアマネージャーさんの立会い
  • ヘルパーさんの立会(必要時)
  • 福祉用具関連の業者さんの立会い
  • 書類関係の契約や更新
  • 役所への必要書類の提出

など平日に行わなければならないことが多いので、正社員としてフルタイム働きながら一人で全て対応することは非常に厳しいため、外へ働きに出る労働(パート・アルバイト)は数日程度になり、自宅にいて対応する時間が多くなります。


【デメリット2】介護者の急変に即対応できない

 上記【デメリット1】の通りさまざまなことに家族が対応しなければないのですが、家族ではどうしようもないことが「介護者の急変」です。

 

 寝たきり高齢者は運動することが健常者と比べて極端に少ないこともあって体が弱く、容体が急変する場合があります。その場合の対処例を挙げてみましょう。

  1. 平日の日中(9:00〜17:00)⇒訪問看護ステーションの事務所へ連絡
  2. 平日の時間外や休日・祝日⇒看護師さんの緊急携帯へ連絡
  3. 看護師ステーションもしくは看護師さんの携帯を通じて、往診医へ連絡

をすることとなります。

 

 過去には腹部の痛みを訴え始め、薬を飲んでも改善しないので慌てて、

  1. 看護師さん電話
  2. 看護師さんが到着して、容体を確認
  3. 往診医へ電話
  4. 即、救急車を呼んで緊急入院

したこともあります。ここ最近はおかげさまで、容体が急変することなく過ごせています。


【デメリット3】24時間365日の待機が続く

 上記【デメリット2】の場合もさることながら、私の場合は日々のオムツ交換が24時間365日の待機が続く一番の理由となっています。

 

 自分でトイレに行ける人であれば尿や便が自分の背中やお尻に長く触れているというこはありませんが、そうではない寝たきり高齢者は排便後にオムツの中で皮膚に密着している時間が長いと、最悪の場合褥瘡になってしまうため、出来るだけ早くオムツ交換をしなければなりません。

 

 オムツ交換は通常「朝・昼・晩・深夜」の4回交換をしています。ただし、ほぼ寝たきりの母親は便秘になりやすいため便を柔らかくする薬や下剤を飲んでいます。よって、いつ何時出てくるか分からない水便(水溶便)に対応しなければなりません。

 

 いくらオムツが吸収するからといっても対応が遅くなると、

  • 部屋の中が臭う
  • 寝巻きが汚れる
  • 布団が汚れる
  • 尿や便が背中・お尻の皮膚に長時間密着していると、褥瘡になりかねない

洗濯やその後の処置がかなり面倒になってしまうのです。それゆえ水便(水溶便)が出た際には特に、すぐ私の携帯へ電話するよう母親には言っています。

 

 薬や下剤を飲んでも便が出てこない場合もあります。そうなると逆に上から嘔吐します。その後は私ではどうしようもないので、

  1. 平日の日中(9:00〜17:00)⇒訪問看護ステーションの事務所へ連絡
  2. 平日の時間外や休日・祝日⇒看護師さんの緊急携帯へ連絡

をして看護師さんに浣腸などを使用して出してもらいます。


《メリット1》心落ち着く自宅での生活が出来る

 たとえば旅行に行って家に帰って来たときのことを思い浮かべてみましょう。距離や日数が長ければ長いほど好んで行った旅行なのに、

「あ〜、やっぱりお家(うち)が一番」

なんて言ってしまうことありませんか?それは自分の家が一番心落ち着く気の休まるところだからだと思うのです。

 

 誰もがそう思うのであれば、介護となってしまった親も同じです。だからこそ、在宅介護を選びました。ましてや自分がここまで大きくなれたのはなんだかんだ言っても親のおかげ。その張本人が動けなくなって、

「ハイ面倒見るのは大変だから、施設へ行ってちょうだいな」

的なことは在宅介護が大変だからといっても、私には出来ませんでした。

 

 ただし、在宅介護が出来るのは認知症になっていないことが大きいです。もし徘徊などするようであればさすがに施設に行ってもらう事となるかもしれません。


《メリット2》介護サービス、暮らし方が選べる

 以前にも書いたことがありますが、母親にショートステイに行ってもらったことがあります。施設内はまだ建物が新しくて広くてキレイでした。なので、「ここなら入居して快適かも」と思いました。

 

 ショートステイの最終日に迎えに行ったときのこと、施設内に入って母親が泊まっていた部屋へ荷物を取りに行こうとすると扉が開きません。専用のカードが無いと開かないようになっていて、職員の方がいる受付に名前と要件を言って開けてもらい一緒に部屋まで案内してもらいました。

 

 その途中には一人の女性が窓をじーっと見つめて外を眺めています。その目がイキイキしているとは言い難い様子でした。あとから母親に車の中でどんな感じであったかを聞いてみると、キレイな建物であっても

  • 居心地は良くない
  • 認知症の方もいて話が噛み合わない
  • 食事が美味しくない
  • 自販機も扉から出ないと無いため、ジュースも(当時は自分で)買いに行けない

などの感想でした。新しくて施設としての運営がまだ軌道にのっていないこともあったかもしれませんが、自分がそこで毎日暮らして果たして楽しいか?と思ったら、在宅介護にしようと考えが変わりました。

 

 また今では体が動かなくなった本人にとって一番の楽しみは食事だと思うのですね。おそらく施設では予算内で比較的喉に詰まらせないようなもので、味も薄めで、栄養バランスも考えて・・・と病院の食事みたいなものが出てきます。ベッドに横になっている時間が長い一日の中で、食事が美味しくなかったらホントつまらないと思うので、このことからも在宅介護にして良かったと思いました。

 

 他にも理由はありますが、自分が現在の母親の立場だったらどういう暮らしが一番楽しく、幸せかと考えたら在宅介護に落ち着いたというわけです。優秀なケアマネージャーさんが母親に合わせた介護サービスを上手に組んでくれているおかげもあって、今ではヘルパーさんを中心に毎日介助してもらって、楽しく過ごせていると思います。


《メリット3》介護費用が節約出来る

 施設に入居すれば24時間365日職員の方が交代で常駐しています。当然夜間も宿直の方がいます。その人件費(日中、夜間)を始めとして、

  • 光熱費
  • 食費
  • 施設の車の維持費
  • 燃料費
  • 清掃費
  • 処分費
  • etc.

とさまざなま一年中の費用がかかるわけで、在宅介護と比べて(施設によってピンキリですが)高額な入居費用がかかります。

 

 その点在宅介護では、各家庭にあった介護サービスを入れることによって、

介護全体の時間と手間−介護サービスの時間と手間=残りの時間と手間

を家族が分担して負担できれば、もっと費用や手間が少なくて済みます。


まとめ

 あくまで私の事例ではありますが、いかがでしたでしょうか。過ぎ去ってしまったことで仕方ありませんが、私の場合は家族内で介護についてよく話をしていませんでした。なので、私が一人介護する役目になりました。

 

 今を振り返って「親孝行はよくやっている」自分があるので、介護の苦悩はありますが「在宅介護」を選んで良かったのかなぁと思っています。

 

 おしまいに、各家庭によってさまざなま事情・お金・時間・手間などの問題があると思います。親の介護をするにおいて「在宅か、施設か」迷ったとき、

  • 自分がその立場になったときどのように思うか
  • 育ててもらった親に親孝行するには今しかないと思うか

を考えてみてはと思います。ただしあなたの家庭おいては、もしかしたら施設の方が本人にとっても家族にとっても良い場合もあるかもしれません。

 

 一番は親が元気なうちに、家族内でよ〜く話し合って決めておくことでしょう。

 

 少しでも参考になれば幸いです。


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