実体験からもしもの時に慌てないよう事前準備↓をしておくことをおすすめします

このブログの目指すところをこちらにまとめてみました。

第二種電気工事士とは?

 街の至るとこにある電柱。その一番上(左記イラスト参照)に通っている電線には6600ボルトの高圧の電気が流れています。また、その電線の下(左記のイラスト参照)にある四角いグレーの箱は変圧器といって高圧の電気を低圧にしています。その低圧(600ボルト以下)にした電気を一般住宅や小規模な店舗、事業所などへ送り、普段我々が電気製品からコンセントに繋いだりして使用できるようになっています。

 

 そうした低圧(電圧600ボルト以下)で受電する場所の配線や電気使用設備などの「一般用電気工作物」の電気工事に従事することができる資格が第二種電気工事士です。

 

 つまり、通常一般家庭などで使用する範囲の電気工事はこの資格で十分なわけです。


0(ゼロ)からでも比較的取りやすい国家資格

 「電気」と聞くと危険で触れてはいけないもの、ましてや自分で修理や交換なんて・・・受験前には私はそう思っていました。

 

 そんな知識0(ゼロ)の私でも一発合格とは行きませんでしたが、「第二種電気工事士」を取得することが出来ました。実際に合格してみての感想は、国家資格の中で知識・経験0(ゼロ)からでも比較的取りやすい資格であったことです。その理由としては、

  1. 筆記試験は過去問題と(ほぼ)同じ問題が出る
  2. 技能試験は事前に13問公表される

ことが挙げられます。本番の試験問題が過去問題と(ほぼ)同じ問題が出るというのは中・高・大学の中間テスト、期末テストでもまず無いと言ってよいでしょう。それゆえ試験対策は学科試験⇒過去問題、技能試験⇒公表問題の反復で合格出来るとあって、とてもお得な国家資格といえます。


試験日、試験内容は?

 試験は上期、下期の年2回受験することができます。以前は上期または下期のどちらかで受験は年1回のみでしたが、平成30年度から上期及び下期どちらも受験可能な年2回となりました。

 

 試験科目は筆記と技能に分かれていて、筆記試験にパス(100点満点中60点以上で合格)しないと次の技能試験に進めません。よって、技能の腕が既にあっても筆記試験にパスしなければ話になりません。しっかりと油断せず筆記試験の勉強をしましょう。

 

 仮に筆記試験に合格して技能試験に不合格となると次回の筆記試験は1回だけパスとなります。例えば、

【上期】 筆記試験:合格 / 技能試験:不合格
【下期】 筆記試験:免除 / 技能試験のみ受験可能

という具合です。なお、上記例の【下期】(2回目の)技能試験に不合格すると次年度の【上期】では筆記試験から受けなければなりません。

 

 

 下記は(財)電気技術者試験センターのHPより抜粋した試験内容です。

1.筆記試験

次に掲げる内容について試験を行い、解答方式はマークシートに記入する四肢択一方式により行います。

 

   (1)電気に関する基礎理論
   (2)配電理論及び配線設計
   (3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
   (4)電気工事の施工方法
   (5)一般用電気工作物の検査方法
   (6)配線図
   (7)一般用電気工作物の保安に関する法令

2.技能試験

筆記試験の合格者と筆記試験免除者に対して、次に掲げる事項の全部又は一部について行います。
試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法で行います。

 

   (1)電線の接続
   (2)配線工事
   (3)電気機器及び配線器具の設置
   (4)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
   (5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
   (6)接地工事
   (7)電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
   (8)一般用電気工作物の検査
   (9)一般用電気工作物の故障箇所の修理

※上記内容は、このブログを書いている時点のものです。詳しくはこちらを確認してください。


私が実際に行った勉強法(筆記試験編)

 私が実際に行った筆記試験の勉強法をお伝えします。使用したテキストと過去問題集は以下の通りです。

筆記試験・テキスト 筆記試験・過去問題集

 確定的に書いてしまってはいけないかもしれませんが、実際に受験してみて私は上記「すい〜っと合格シリーズ」2冊のみで筆記試験は合格できると思います。

(A)過去問題を解く
(B)間違った問題や分からない内容はテキスト見る

 

(A)過去問題を解く
(B)間違った問題や分からない内容はテキストを見る
              ・
              ・
              ・

の繰り返しをします。私自身、

  • 理論科目以外の過去問題3回転
  • 理論科目の過去問題10回転
  • しました。

     

     理論科目は難しいので公式を覚えつつ、根気よく時間をかけて理解するようにしましょう。

    私が実際に行った勉強法(技能編・その1)

     「第二種電気工事士」の資格は実質上技能試験が本番です。プレッシャーをかけるようではありますが、筆記試験は過去問題をほぼ解答できるようになっていれば合格できて当然です。2時間の試験時間でかなりの人数の方が1時間で退出していました。

     

     おそらく、不合格となるのは仕事が忙しくて過去問題をやっていなかった方々だと思います。それさえしっかりやれば合格できますので、この時ばかりは集中して勉強しましょう。

     

     晴れて筆記試験に合格すると、約2か月後に技能試験があります。初めて受験される方は筆記試験を集中して行い、筆記試験終了後から技能試験の勉強(練習)を始めても合格は可能だと思います。もし技能試験が残念ながら不合格でも次回のみ筆記試験は免除となるので。
    ※令和4年度 第二種電気工事士・技能試験 公表問題はこちら

     

     下記はテキスト、工具、練習用材料セットです。

    2022年版 第二種電気工事士
    技能試験 公表問題の合格解答
    大型本

    ホーザン(HOZAN)
    電気工事士技能試験
    工具セット

    電気工事士 2種 技能試験セット【2回練習分】(電線、器具)
    【全13問対応】 (2022年版)

     

     技能試験の勉強(練習)は毎日自宅等で時間を測って「30分以内で仕上げる」ことを目標にします。本番では40分以内に仕上げなければなりませんので、緊張がほぐれている自宅等では30分以内にとなるわけです。

    私が実際に行った勉強法(技能編・その2)

     私は超不器用です。お恥ずかしながら技能試験は3回目で合格しました。不合格の原因は、

    • 1回目・・・40分以内に仕上げることが出来ずに時間切れ
    • 2回目・・・40分ギリギリに仕上げられたが、配線ミス
    • 3回目・・・30分以内で仕上げられ見直しもでき、晴れて合格!

     

     不合格の原因の一つとして、スピードが遅かったことにありました。なにしろ40分以内に完成しなければなりません。そこで超不器用な私でもなんとか出来るようにと私が編み出した!?方法をお伝えします。簡単にいってしまうと、「一つの作業を全部やってから、また次の一つの作業を全部やる」という方法です。それらが全部出来上がり、材料が完成したところで組み立てて行きます。

     

     具体的に下記の問題【令和4年度 第二種電気工事士・技能試験  公表問題NO.6】であれば、

    1. @〜FのVVFケーブルをカット(2.0mm・2芯を1本、1.6mm・2芯を3本、1.6mm・3芯を3本 を【長さは指定mm数+α分】※テキストにて勉強)
    2. カットした7本のVVFケーブルの中央部分に@〜Fの番号をマジックで記入
    3. @〜Fのグレー色のシース部分を適切な長さ(※テキストにて勉強)で剥ぎ取る
    4. @〜Fの黒・白・赤の各絶縁被覆を適切な長さで剥ぎ取る
    5. Aの露出コンセント側の銅線を輪作りし、取り付け
    6. Bの三路スイッチ側の銅線を適切な長さでカットし、取り付け
    7. Dの引っ掛けシーリング側の銅線を適切な長さでカットし、取り付け
    8. Eの三路スイッチ側の銅線を適切な長さでカットし、取り付け
    9. @ABCをジョイント部Aで(配線を間違えないように)各リングスリーブで圧着
    10. リングスリーブで圧着後に余分な銅線をカット
    11. CDEFをジョイント部Bで(配線を間違えないように)各差込コネクタに差し込む
    12. 各差込コネクタの長さが適切か透明な外側から確認
    13. 全体の形を整え、問題指定通りの間隔(長さ)になっているか確認
    14. 問題文の注意書きを再度読み、間違いがないか確認
    15. 完成

    というような手順で作成していきます。器用な方や既に電気工事店にてお勤めの方からするとこのような手順ではなく、もっと要領の良い手順で作成しているでしょう。私にとってはこの方法が手早く、間違いのない方法でありました。

     

     なお、上記NO.6を始めとして問題文は全て単線図です。これを複線図(筆記試験で勉強)にするのですが、紙に書いていたら時間が足りません。また実際の現場でも手早く作業しなければなりません。技能試験では頭の中で複線図を描けるようにしておきましょう。

     

     一つ良いコツをお伝えします。ジョイント部AとBは問題の注意書きに「Aはリングスリーブ、Bは差込コネクタ」と記載してあると思います。しかし、本番では作成する方に気が取られてその事を忘れがちです。ですので、

    • 太さの違う2.0mmと1.6mmがジョイントする部分(上記問題NO.6ではA)はリングスリーブ
    • 太さの同じ1.6mm同士がジョイントする部分(上記問題NO.6ではB)は差込コネクタ

    と覚えておくと良いでしょう。

    まとめ

     今日の生活や仕事の中で「電気」を使用することは多いので、知っておいて損はありません。

     

     介護で仕事を辞めてしまった場合、再就職する際にこの資格を持っていれば電気工事会社への就職も選択肢の一つとして選ぶことが出来ます。また何年かその会社で勤めた後、独立することも可能です。

     

     私の場合は電気工事店へ就職したいからではなく、不動産賃貸業の経費削減&バリューアップのために取りました。先日も空室になった部屋のスイッチやコンセント、引っ掛けシーリングをホームセンターで材料を購入してきて(資格があるので)自分で交換しました。なぜならプラスチック部分が経年劣化で焼けて黄ばんで見栄えが悪かったからです。プレートと一緒に交換することによって、とても見栄えが良くなりました。また、介護をしている母親の部屋にヘルパーさんが空焚きをしないよう、炊飯器専用の露出コンセントを増設したこともあります。

     

     おしまいに、今後「電気」の需要が無くなるということはまず考えられにくいです。試験会場では圧倒的に男性の受験者が多い中、女性の受験者もいました。最初に技能試験を受けた時、私の一つ後ろには(工業高校でしょうか?)女子高生もいました。男女・年齢など関係なく誰でも受験できますので、ぜひ再就職・経費削減・スキルアップなどなど需要の有る「電気工事」の資格を取得してみましょう。


    番外編

     筆記試験の過去問を一通り勉強して気がついた方はいますでしょうか。その中の問題には「感電」に関する問題が一つもありません。

     

     電気工事士法第1条で「電気工事の欠陥による災害の発生の防止」が目的であるとしている「電気工事士」は経済産業省が管轄しています。

     

     一方、労働安全衛生法第1条の「労働者の安全と健康の確保」を目的とする「低圧電気取扱業務特別教育」講習は厚生労働省が管轄しています。

     

     この講習を受けた際に講師の先生に教えてもらったのですが、「電気工事士」は建前上は電気の通っていない状態での工事?としているようで、実際の現場では通っている状態でも工事をする場面はあるため、厚生労働省がこの講習を独自に設けたようなのです。

     

     よって、感電に関するこちらの講習を受講しておくことをおすすめします。「低圧電気取扱業務特別教育」と検索して、お近くの講習実施機関にて申込み⇒受講してみてください。

     

     目に見えない電気は人体を通過するとその部分が「壊死」したり、最悪の場合「死」に至りますので感電に関する講習を受けましょう。また実際の工事を行う際は、検電器や(原始的な方法である)ランプレセプタクルに電球と電線を取り付けてコンセント等に通してみるなど事前に確認し、油断せず適切な工事をしましょう。


     

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